不動産投資に潜むリスクについて解説します。マイホームではなく、投資目的で始める不動産投資についてです。
不動産投資と聞くと、敷居が高いと感じたり、管理が面倒で難しいというイメージを持つ人がいます。一方で、家賃収入による不労所得が得られる、など美味しい話を聞くこともあり、興味はあるけどどうしたらいいかわからないという人もいると思います。
初めに結論から言うと、
投資用不動産とは何か?
投資用不動産とは、持ち家として不動産を購入するのではなく、金融商品として不動産を購入し、資産運用を行うことを指します。資産運用だけでなく、節税効果もあると謳っている不動産業者は多いです。
具体的な投資用不動産のシステムについて解説します。
銀行からローンを組まなければならない
不動産を所有するためには、一括で買うか、ローンを組む必要があります。一括で購入する人はほとんどいないため、銀行からお金を借りてローンを組む場合が大半です。一方、銀行側はお金を貸せるだけの信用力のある職業(公務員・会社員・医者など)かどうかを判断します。
銀行からお金を借りた後は、住んでくれる人を探します。不動産業者を通す場合は、広告を出したり、客付けも不動産業者がやってくれる場合が多いです。
キャッシュフローを理解しよう
不動産投資をすすめる場合、お金の流れは以下のようになります。
となります。家賃収入が入らなければ自分で借り入れに対する返済するしかありません。
また、悪質な不動産業者から高額な投資用不動産を買ってしまうと、そもそも収入がプラスではなく、マイナスからスタートしなくてはならない場合もあります。
不動産業者は戦国時代
不動産業者の法人数は年々増加しています。その他の業界の法人数は減少しているのに、不動産業者だけが増加傾向なのです。なぜこれほどまでに不動産業界は人気なのでしょうか。
不動産業者の利益率は異常なレベル
また、営業利益に関しても驚異的なデータがあります。
不動産業の営業利益率は業界全体が4%前後に対して12%ほどあります。つまり、不動産業界は他と比べて3倍近く儲かっているのです。
私は製造業で働いていましたので、この数字がいかに飛びぬけているか理解できます。毎年10%以上の営業利益を出せる企業などほとんどないのです。不動産業界はなぜこれほどまでに利益を出すことができるのでしょうか?
理由は単純、
買ってくれる人がいるからです。
不動産は価格がわかりにくい
なぜ利益率が高いのか、他にも理由があります。それは、不動産の価格がわかりにくいからです。安く土地を仕入れてマンションを建てたとして、外見を綺麗にしたり、パンフレットを綺麗にしたら、それなりの物件に見えてしまいます。
見た目よりも雰囲気にお金を払っているようなものです。
どれだけお金を出しても、高く買ってくれる人がいるウハウハな業界が不動産業界です。必然的に、購入者にメリットがある良心的な業者と出会える可能性は減ってしまうのです。
罠がいっぱいの投資用不動産!
それではなぜ初心者が投資用不動産をやってはいけないのか見ていきましょう。
初心者がよく失敗する以下のケースについてみていきましょう。
- ワンルームマンション投資の罠
- 銀行ローンの罠
- 売却時のトラブル
- 情報がクローズされている
- 物件を選べない
ワンルームマンション投資はおすすめできない
投資用不動産の面談やセミナー、電話勧誘を受けた人はいるでしょうか。ほとんどの不動産業者がワンルームマンションの投資をすすめてきます。
理由は以下のようなものです。
- 単身世帯が多いから
- 東京への人口一極集中が進んでいる
- 老後の資産形成になる
- 節税できる
しかしながら、新築や築浅のワンルームマンションは価格が高く、2000万~3000万もかかります。少し都内から離れた23区外では1LDKの部屋が一括で購入できる値段です。
しかし、ほとんどの不動産業者が新築や築浅物件を勧めてきます。なぜなら、
不動産業者にとって利益が大きいからです。
銀行ローンの金利が高い
マイホームのローンを組む場合は金利が0.3~0.4%程度と良心的な金利です。
しかし、投資用不動産に関しては、1.5~2%台とかなり金利が高いのです。仮に35年でローンを組んだ場合、銀行に払う利息は数百万円にも上ります。
キャッシュフローの例を示しましたが、ローン年数を長くすることで、月々の返済が減るのでキャッシュフローが改善されたように見える場合があります。
しかし、結果的に銀行へ払う利息は増えており、返済額は減りにくくなります。経年による不動産価格の下落に対して、返済額が減らなければ、売却することもできなくなります。
売却しても利益が出ない可能性がある
不動産業者に進められる物件を買い、数年後に売却して利益を得ましょうと提案される場合があります。しかし、本当に利益を出るでしょうか?
私が面談したほとんどの業者は、経年による家賃の下落や物件価格の下落を甘めに見積もっている傾向がありました。また、不動産業者と言っても全員がプロというわけではなく、売却までフォローできる人は業界の中でも一握りです。
適当に営業トークで過ごしている場合が多いということを踏まえ、複数の有識者に確認することが必要です。
情報がクローズされている
不動産業者から「この物件はおすすめです」と言われた際には、大抵の人は良い物件かどうか判断する基準がありません。ほぼすべての情報を不動産側が握っているのです。
都合の良い情報だけを開示することができますし、あとから契約書を交わすときにわかりにくいところに記載するだけで、見落としたこちら側の責任になります。
物件を選ぶことができない
こんな条件の物件を買いたい、と伝えたとして、希望通りの物件を見つけてくれる不動産業者はほとんどいません。
不動産業者は自分たちが売りたい物件だけを扱っています。不動産業者は物件を売った時点で利益が確定します。
しかし、購入者である私たちは、いろんなリスクを抱えながら過ごさなければなりません。
不動産投資で成功するために必要なこと
ここまで初心者が不動産投資で失敗しがちなケースをみてきました。ここからは、どうすれば不動産投資で成功できるのか?について考えてみます。
適切な不動産業者と付き合おう
元も子もないのですが、まじめにこれに尽きます。ローンを組んで自己資金を抑えて不動産投資を行う場合、自分にとって最良の提案をしてくれる不動産業者と付き合うことは必須です。考えられるトラブルだけでも、以下の例が考えられます。
- 入居人とのトラブル対応
- 壊れた室内設備のメンテナンス
- 入居者の募集
- 確定申告の対応
これらを当たり前のように対応できる不動産業者でなければ話になりません。
個人的な基準としては、初めの提案の段階で築古のワンルームマンションを案内してきた不動産業者はある程度信頼できると思います。理由は、キャッシュフローがプラスに回りやすく、築古物件のローン交渉ができる不動産業者だと考えられるからです。
自分で購入も検討しよう
不動産業者を頼って不動産投資を行い、不労所得を目指そうという人は考えが甘いかもしれません。不動産は自分でも購入できますし、DIYすれば安く貸し出すことが出来るからです。
個人で売買できる不動産売買サイトは、以下のようなサイトがあります。
ただし、銀行からローンを組むことは難しいので、自身の資金で購入を検討する必要がります。初心者には敷居が高いかもしれませんが、本気で事業として取り組むのであれば検討してみるの良いと思います。
最安で不動産を購入する方法 競売物件
不動産を最安で購入したい人は、競売物件を見てみましょう。競売物件とは、裁判所が差し押さえた物件がオークション形式される物件です。
自己資金が必要になりますが、最安の値段で買うことができます。ただし、入札の相手は不動産業者であることに注意してください。また、瑕疵担保責任はつかないので、購入してから物件に問題が見つかっても、自分で対処する必要がります。
番外編 金持ち父さん 貧乏父さんを実践した凄い人
番外編です。
金持ち父さん 貧乏父さん(著ロバートキヨサキ)という本をご存じでしょうか。日本のビジネス書ではベストセラーになっています。本著の内容はアメリカで不動産事業を拡大した内容について触れています。ですが、日本とアメリカではローンの請求範囲に違いがあり、日本ではうまくいかないと言われています(引用URL)。
しかし、実際に本著を読んで日本で不労所得を達成した人がいます。「竹内かなと」さんという方で、競売物件を落札してはDIYでリフォームし、高収入物件を現在までに24件所有しています。
リフォームの状況も随時公開しており、リアル金持ち父さん 貧乏父さんの実践者であり、強者です。
まとめ
初心者が不動産投資で失敗するケース、なぜ失敗するのかについて解説しました。
後半では不動産投資で成功する方法についてもご紹介しました。正直なところ、結構敷居の高い業界だと感じますが、DIYが好きであったり、人との交流が好きな人は目指してもいいと思います。竹内かなとさん、本当にすごい人です。
この記事では紹介しませんでしたが、サラリーマンが最速で不労所得を達成するための不動産投資について、noteに有料記事で作成する予定です。
これまでに会ったきた不動産業者の中で、一社だけ素晴らしい提案をしてくれた会社があり、そこで提案を受けた内容です。本当に良い不動産業者は100社の中で1~2社しかないと身に染みて感じました。
当ブログでは投資・旅行・移住に関する情報を随時発信しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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