マイクロ法人・自営業のススメ お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方を解説

黄金の羽の拾い方

マイクロ法人という言葉を聞いたことがありますか?

マイクロ法人とは、個人が会社を作り法人化することにより、節税メリットを生かしながら生活するスタイルのことを指します。

今回ご紹介する「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」という本では、なぜサラリーマンから自営業になり、マイクロ法人化するとお金持ちになれるのかを解説しています。

私の生き方を変えることになった、決定的な本でもあります。

黄金の羽とは、「社会の構造的なひずみ」によって生まれてくるものです。この黄金の羽に気づいたものだけが拾うことができ、豊かになることができます。

あなたは黄金の羽を拾うことができるでしょうか?

それでは読んでいきましょう!

2002年のFIFAワールドカップ空席問題

筆者(橘玲氏)の言葉を例にとり、黄金の羽の説明の最も理解しやすい例として2002年のFIFAワールドカップ空席問題を取り上げています。日韓共催のワールドカップで、当時1枚7000円のチケットでしたが、オークションサイトで20万円を超えるなど、限られたチケットに多くの人が押し寄せました

しかし、実際にスタジアムを見てみると、空席だらけだったのです。

何故でしょうか?理由は、日本のファンと海外ファン向けにチケットが分かれており、日本のファン向けの観戦チケットだけが売り切れたからです。海外ファン向けのチケットは、大会運営側が集客人数を見誤り、大量に余っていました。これに気づいた一部の人だけが、ほとんどの試合を観戦することができました

ではどうすればチケットを購入することができたのか?

答えは、国外の友人等に連絡を取り、代わりにチケットを購入してもらうだけです。海外ファン向けのチケットが余りそうなことは事前にニュースで知らされていました情報(ルール)は万人に公開されていたのです。

「知識社会」では、必要な情報を的確に入手し、それを活用する知識を有しているひとは、いくらでも近道ができます。そうでなければ、ひたすら回り道をするほかありません。「知識」が価値を持つとは、そういうことです。(P38)

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知識もなく、回り道もしたくなければ、金を払わなくてはなりません。それが、私たちの生きている資本主義・市場経済のルールです。(P38)

経済的な独立にはいくら必要なのか?

経済的に自由になるにはいくらお金があればいいのでしょうか?少しは考えたことがあるかもしれません。年末に宝くじを買う理由にも繋がっているかもしれません。

富裕層の指標としては、資産100万ドル(1億円)がラインといわれています。

2019年の時点で、日本人の中に250万人の富裕層がいると報告されています。これは日本人の50人に1人が富裕層であることを示しており、世界の富裕層数のランキングでも3位にあたります。

文献:日本は富裕層が急増中!資産1億円以上は50人に1人?

意外と多いと思った人が多いのではないでしょうか。しかしながら、これには裏があります。

共働きで世帯年収がある程度ある場合、年間に300万ほど貯金が出来て33年ほど働けば、約1億円を貯めることができます。65歳の時点で富裕層になっても、自由な活動を出来る人生を手に入れたかと言われると、難しいと感じるでしょう。

一方で、低めの年収でもいいから自由な暮らしを手に入れたいと思う若者が増えていると感じます。出来るだけ若い時点で経済的独立、自由な暮らしの両方を手に入れるにはどうすればいいのでしょうか?

問題は、サラリーマンの給与体系では、ミリオネアの夢は(たとえ実現したとしても)退職金を受け取るまで待たねばならない、ということです。もっと早く経済的独立を達成するためには、どこかに「近道」を見つけなくてはなりません。(P73)

お金持ちの方程式とは?

お金持ちになるための方程式はとても単純です。

資産形成=(収入)-(支出)+(資産×運用利回り)

これだけです。

この方程式から、お金持ちになるには以下の3つしか方法がありません。

  • 収入を増やす
  • 支出を減らす
  • 運用利回りを上げる

当ブログでは、この方程式を達成するための提案もしています。

  • 収入を増やす≒自己投資の提案(読書、勉強など)
  • 支出を減らす≒移住の提案
  • 運用利回りを上げる≒投資・資産運用の提案

では具体的にどうすればいいのか、本書で書かれている内容を整理すると以下のようになります。

  • 人的資本に投資し、資金を貯めよう
  • 出来るだけ支出を抑え、保険や家賃を見直そう
  • 不動産(マイホーム)は購入しない
  • リスクを理解しつつ、積極的に資産運用を行う

人的資本に投資し、資金を貯めよう

まずは資金を貯めましょう。サラリーマンとして働いていれば、お金を貯めることを意識しましょう。急に収入を増やすことは難しいですが、副業をしてみるのも一つです。クラウドソーシングサイト(クラウドワークス、ランサーズ)などで必要とされているスキルを調べ、自分に出来ることは無いか調べてみるのも有効です。

出来るだけ支出を抑え、保険や家賃を見直そう

固定費は出来るだけ抑えましょう。外食を控えたり、固定Simに切り替える、不要な月額サービスを解約するなど、月にどれだけ費用をかけているか見直してみましょう。

保険に関しても、本当に必要なものかどうかを再度見直しましょう。掛け捨ての低額な保険で十分な場合が多いです。

不動産(マイホーム)は購入しない

不動産はリスクのある投資だという認識を持ちましょう。投資のまとめ記事にも書きましたが、マイホームの購入はレバレッジを掛けた不動産投資です。資産形成をしていく生き方を選ぶなら、「理想のマイホーム」という幻想を断ち切りましょう。

リスクを理解しつつ、積極的に資産運用を行う

当ブログでは投資に関する記事をいくつか紹介しています。投資にはリスクがありますが、リスクを抑えた運用方法も存在します。知識を付けたら、リスクを理解しつつ、積極的な資産運用を行うことも検討してください。いかに読んでおくべきおすすめ記事を貼っておきますので、よかったら読んでみてください。

サラリーマンは惜しみなく奪われる

サラリーマンは資産形成に不向きである

初めに、サラリーマンの生涯年収とマイホームを建てた場合のモデルケースを説明します。現状では資産形成が難しいと言われる一例です。

サラリーマンの生涯年収を3億円と仮定します。このうちの2割の6000万円は税金と社会保険料(年金・健康保険)に使われます。残りの手取り2憶4000万円に対して、住宅関連支出(7000万)、各種保険料(1000万)を引くと、残り1億6000万円です。

子供二人を育てるとすると、一人当たり2000万ほど必要になるので残りは1億2000万円になります。老後の資金として3000万円を貯蓄に回すとすると、9000万円が残ります。

サラリーマン人生が40年続くとすると、9000万円から40年を割り、一年あたり200万円程度しか残っていないことになります。夏休みや冬休みに帰省したり、年1度の旅行へ行く場合、資産形成に回すお金はほとんど残っていないのです。

共働きをすればこの状況からは多少改善されますが、サラリーマンという生き方を選んだ場合、資産形成が難しいということがわかると思います。

サラリーマンは年金を肩代わりしている

少子高齢化が刻々と進んでいく日本ですが、年金のために若者が高齢者を支えなければならないという構図は、今後も変わることはないでしょう。では、税金に対してはどんな変化が起きているのでしょうか?

日本全体の国民年金の納付率を例にとってみましょう。自営業や学生などの「国民年金第1号被保険者」の加入者は、平成30年のデータで1505万人です。このうち、税金を納めていない人数は約700万人います。未納率は年々縮小傾向ですが、約半数近くの人が年金を払っていない状況にあります。

年金未納率 黄金の羽

ではこのしわ寄せは誰にいくのでしょうか?それは、税金を天引きで納めている厚生年金被保険者である、サラリーマンなのです。

これは事実ですが、2004年度の厚生年金の負担率は13.58%でしたが、2017年には18.3%まで上昇しました。わずか5%に見えますが、増加割合は35%アップになります。引用URL:厚生年金率”13年で35%アップ”の衝撃

サラリーマン実質税負担

さらに悲惨なサラリーマンの税負担についてみていきます。ここでは年収600万円のサラリーマンをモデルに、どのくらい税金を負担しているのか見ていきます。

年収6000000
給与所得控除1740000
その他の所得控除1520000
社会保険料864300
課税所得1880800
納税額合計282000
 ー所得税94000
 ー個人住民税188000
実質税負担1146300
実質年収4853700
実質税負担率19.1%

これを見るだけでも、サラリーマンは19.1%もの税金を負担していることになります。

しかし話はこれだけでは終わらないのです。厚生年金は企業が半分負担しています。これは社会保険料の支払いが無ければ本来は給与としてもらえるはずのお金ということになります。すると、実質的な税負担は以下のようになります。

年収6864300
実質社会保険料1728600
課税所得1880800
納税額合計282000
実質税負担2010600
実質税負担率29.29%

これがサラリーマンでいると豊かになれない本当の理由です。先ほどの生涯年収3億円の話に当てはめれば、1億弱近い給料を税金として徴収されているのです。

私たちはサラリーマンでいる限り、退職するまで自由のほとんどない生活を送らなければなりません。では、どうすればいいのでしょうか?

個人と法人の2つの人格を使いこなす生き方

ここからは、独立して合理的に人生を設計する方法についての解説です。先ほど述べたサラリーマンの現状を打開するには2通りの方法があります。

  • 自営業者になり、経費で税金を圧縮する
  • マイクロ法人になり、課税所得を圧縮する

これらの方法は、「合法的に税金を払わない」という選択肢になりますが、嫌悪感を覚える人もいるかもしれません。しかし、上で述べたように知識を持って近道をする、という方法を実践しているに他なりません。

自営業者になることで、これまでに払っていた家賃や様々な支払いを、「経費」で処理することが可能になります。税金に関しては、収入から経費を引いた額に課税されることになります。つまり、経費に掛かる税金分は免除されるので、節税効果があるということです。

マイクロ法人のススメ

自営業者になることで経費分の税金を圧縮できることがわかりました。では、個人で法人を作る「マイクロ法人」になるとどのようなメリットがあるのでしょうか?それは以下の通りです。

  • 所得税の発生しない範囲で給与を決定できる
  • 所得税の発生しない範囲で家族を雇用できる
  • 生活費を法人の経費で処理できる
  • 個人資産を法人名義で運用できる

説明に関しては、複雑な説明になりますので原著を詳しく読んでいただければと思います。これらを実践することで、課税所得、社会保険料を最小化しながら生活することが可能になります。

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税を最小化してからがスタート

お金持ちの方程式に戻りましょう。サラリーマンでは運用するための資金がほとんど残されていないと述べました。自営業者になり、マイクロ法人化することで、これまで払っていた税金を圧縮できます。すると、手元にある程度資金が生まれます。

繰り返しますがお金持ちの方程式は、以下の通りです。

資産形成=(収入)-(支出)+(資産×運用利回り)

ある程度資金生まれたら、収入を増やしつつ、支出を減らし、運用利回りを上げていくことが大切です。

当ブログでもご紹介している投資を実践するのも良いと思います。

マイクロ法人化は目的ではなく、お金持ちになるための手段であることを忘れないようにしましょう

事業者を後押しする「黄金の羽」とは?

サラリーマン人生から脱出して、自営業者へ。さらにマイクロ法人になることで経費を圧縮しながら事業をすることで、お金持ちに近づくことが出来ると解説しました。

しかし、どうやったら事業をすすめることができるでしょうか。ここでは、原著で触れていた奇跡のファイナンスについて説明します。

事業をするためにはお金が必要です。サラリーマン時代に貯めていたお金をすべて事業に使ってしまうのはおすすめできません

ここでは、金利0.4%で1000万円の資金を調達可能な方法についてご紹介します。

創業支援用の融資斡旋制度

地域によって異なるのですが、制度のある自治体に法人登記することで誰でも申請は可能になります。融資制度の例は下記の通りです。

  • 融資金利;年0.4%
  • 融資上限:1000万円
  • 返済期間:7年
  • 融資条件;開業1年未満
  • 自治体が指定する中小企業診断士の推薦を受けること

要約すると、法人登記しただけで事業をしておらず、実績も無い人間に無担保で1000万円を融資する、という制度です。

年利0.4%ですから、1000万円融資を受けたら1年の利息はわずか4万円です。銀行で融資を受けるよりもはるかに恵まれた条件であることが理解いただけたでしょうか。

この制度を知り、法人登記して経営者になった人もいれば、金利の高い商工ローン(街金)で資金を借り、返済に苦しむ人がいます。

あなたはどちら側に立ちますか?

社会制度が生み出した「歪み」とは何か?

冒頭で黄金の羽は「社会の構造的なひずみ」から生まれる、と触れました。

知っている人だけがこっそりと利用しており、知らない人は苦労し、時間もお金もかけて生活することになります。

ある仕組みが長く続いていると、必ず「ひずみ」が生じます。年金問題も同じです。

構造的な歪みはいつか必ず顕在化する(P61)

構造的な歪みにいち早く気付くことが出来れば、黄金の羽を拾うことができるでしょう。

ではそのために何をすべきか?

いろんな知識に対してアンテナを張り、日々勉強しましょう。

ただ待っているだけでは、あなたの前に黄金の羽は降ってきません。自分から拾いに行く必要があるのです。

まとめ

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方(橘玲)」について、自分なりの知見も落ち混ぜながら解説しました。日々なんとなく過ごしていた自分にとっては、転機となるほど衝撃を受けた一冊でした。

サラリーマンとしての生活に疑問を感じている人にこそ、手に取っていただきたい本だと思います。

当ブログでは投資・海外旅行・移住に関する情報を随時発信していますのでチェックしていただけたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

著書はこちら

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